Sunday 29 April 2012

血まみれの音楽

ここ最近雨が止まない
とにかく陰惨な天気
毎日当ても無い灰色の空に涙のような滝の様な雨
ロンドンに来てから約8年、ここまで惨めな雨が続いているのは初めて
東京に居たときは圧倒的に夏よりも冬、とくに秋がすきだったけど
(9月の終わり頃から匂うあの雰囲気、それは春の無限の空にある終末感とは無縁と思える程の乾き方、いいよねあれ)
でも今は裏表のない夏が恋しい 
太陽に埋もれる恥ずかしくも生命それ自体との直結を感じるあの感じ
暫くまったくもって感じていない

昨日は友達のAdamとケンケンのバンドBlood Musicのシングルローンチにいった
まだ一度も観た事が無い
ダルストンのvictoriaというヴェニュー
ステージもしっかりしていた
ここもカウンシルエステートからきた様な
地元ハックニーの人々と、
ショーディッチ系の若者が両方くるところにになっていて
cafe otoや以前のstags headなどに通ずる不吉な緊張感がある
こういうエリアが辿る宿命の泡なのかもしれない


雨と吹雪の中、売れない売春婦の様になんとかたどり着くと偶然にも必然にも出会った友達がいた もんちゃんとコウヘイ君、ケンケン(何処かのチャイニーズを喰べていた)とAdam、それとSCUMのSamが髪を伸ばしていた。
お金がとにかくないのでもんちゃんとコウヘイ君で勘ビールを買って呑んだ30分 
その後ユウキ君が新しい彼女のダイアナチアキちゃんと一緒にきた
俺はまったく酔っぱらいたくなかったので、ソファに座った

天井がつめたくぐるぐる廻っている

サポートのバンドはCloutといって4人か5人か6人のバンド
サックスもいるのできいてみたい
けどサウンドチェックに2時間もかけて中々始まらない。
いざ始まると喉から手が出る程退屈なバンドだった
こういっちゃ悪いけどさ
自我にぶら下がっている粒子がそこにもあそこにもとんでいた
明日は6時起きの闘争劇
Blood Musicまでたどりつけず、家に帰ることにした
ごめんアダム、また観れなかったよ

















Saturday 28 April 2012

Walk into the cold water with you

チューブに乗ってtooting broadwayのレゲェのレコード屋で働いていた頃、
毎日タダの新聞を読んでいた
そこには海辺で自殺した親子のニュースとか
丘の上で銃の事故で死んだティーンエージャーのカップルとかの悲しくて、
もうよくわからない記事が沢山載っていた。
俺は何を思ったのか、その記事を全部切り取って毎日集めていた
何に使う訳でもなく、忘れないためでもなく

今日という日は、気分転換にベッドを動かして部屋を掃除してたら、
その記事達がどっと出てきて、急に思い気分になった。
内容が、記事が、
そしてなにより写真の質感があまりにも重い

去年の今頃、Walk into the cold water with youという曲を書いた。
テレーザと一緒にガムを噛みながら、歌詞を考えて
その数週間後にはレコーディングもした ↓
http://thecatchernine.bandcamp.com/track/walk-into-the-cold-water-with-you
俺は友達と路上を歩いている時よく心の中で思う
いつか俺と同じ場所で死んでくれと
朝起きた時はいつだって、
となりでだれが寝ていようとも
永遠の宇宙を漂うカプセルのような気分
それは小学生を卒業したぐらいからずっと
きっと人は生まれる時も死ぬときも独りだけど
結局みな深い生命線の上では繋がっていて、
生きている間に出会った人とこれから突っ込んだ事しよう
というグーニーズのフラクタルの日常版みたいな雰囲気を曲にしたかったのよね



Walk into the cold water with you


お前はとても上手に笑う
そしてとても上手に噛む
海には記憶がある
我を忘れた波が忘れるまで

でも俺は嗅ぐ事ができる
お前を上手に
嗅ぐ事ができる
頭上にある星たちのように
俺と一緒にダイヴしてくれ

お前と一緒に冷たい水の中にはいっていこう
今、手と手を取り合っていこう
しりたいんだよね
もし俺たちが必死になったとしても
また怖いとは思ったりしないだろうか

あの光り輝く赤をみてみなよ
太陽を上手にみるんだよ
海は記憶をもっている
だから俺と一緒にダイヴしてくれ



お前と一緒に冷たい水の中にはいっていこう
今、手と手を取り合っていこう
しりたいんだよね
もし俺たちが必死になったとしても
また怖いとは思ったりしないだろうか

海には記憶がある
ドラマーがスティックを落とす時
すべての時間は止まる

お前と一緒に冷たい水の中にはいっていこう
手と手を取り合っていこう
なんでかって
しりたいんだよね
もし俺たちが必死になったとしても
二度と怖いとは思ったりしないだろうか







Friday 27 April 2012

Ringo You Are My Star

昨日は去年ぶりにキャッチャーナインのライヴ
ダルストンにあるShaklewell Arms という場所で演奏した
今はトレンディな場所になってしまったけど、本当はジャマイカ人達がいっぱいいて
バキバキだったパブ
数年前には人が殺された
そういえば、christina recordsの前にあるopen the gateというジャマイカのお店
viceが買い取ったらしい
クソvice
ここはどんどん変わってゆく

Angelinaとヒロポンと一緒に演奏した
アンジェリーナの曲と声とギターがもの凄くいい海みたいで
静かな曲たちなのに巨大な音量で演奏
サリサリとヨウコさん、wesleyたちのギャングがみにきてくれた
演奏中、眩しくてなにも見えない
呑むつもりなかったビールを零した
louisに耳の奥に舌を入れられて気持ち悪くてうれしかった
演奏するはずだった世界最終戦争を時間せいでやむなく飛ばした
知らない人たちが見に来てくれて曲名もおぼえてくれてて嬉しかった


演奏中、Angelinaの曲、全部いいから
明日にでもレコーディングしたいと思った
やっぱりドーパミンが沢山でて、生命力でてくるねライヴって
ここ数年、愉しい曲がつくりたいのに、暗い曲ばかりできる
踊れる曲がつくりたいのにさっぱり
社会不適合者か廃人か
明るく目映い未来は間違いない
こうなったらできるだけたくさんの暗黒の曲をつくっていこう
部屋にもどってきてからが戦いははじまる
生産する痛み
どこかの筋肉痛に似た歓喜
水色の壁との戦い
自分との戦い

Tuesday 24 April 2012

Sunday 22 April 2012

クリフハンガー

クリフハンガー


世界へ
そしてそのすべてのみんなへ
投げ出されてからずいぶんたつけど
返信は一向になかった
太陽はまだみえかくれしている
まるで年明けの朝
キャンプにいくのかと思ったよ


前から分からなかった事が結晶のようにわかった
短距離走者が気絶するように
さっきの光のように
ナイフに映るお前のように


あぁやっぱり
まったく死ぬのが怖くないんだね
お前の声は聴いた事があると思ったら
よく知っている声だった


そして昨日の夜夢をみた
俺たちは森の中でずっと燃えていた
お前はまたできないと思っているけど
もうすでに出来てしまっている事に気づいていないんだね



世界よ
そしてそこにいる皆へ
ずっと分からなかった事が今わかったよ
凄く近い未来の破片がお前を探している



あぁやっぱり
まったく死ぬのが怖くないんだね
お前の声は聴いた事があると思ったら
よく知っている声だった


前から分からなかった事が結晶のようにわかった
短距離走者が気絶するように
さっきの光のように
ナイフに映るお前のように

Saturday 21 April 2012

海の向こうの海馬のいない海

昨日は世パラってダンスをした
かっこわるいラテンのバンドが演奏していた
けど友達は嬉しそうだったから俺もダンスできた
帰り道micachuにでくわした
micaはすごくかっこいい音楽をつくる
きっと彼女がかっこいいからなんだと思う

今日はブライトンにthe go teamのリハーサルにいった。
久々の演奏、
1時間も遅れてしまった
来週オックスフォード大学で演奏する
金持ちでポッシュな子供と大人とババアのために


帰りに独りで海をみにいった
サンドイッチとニューキャッスルブラウンをかって海馬をさがした
いるわけもなく、日がおちた
遊園地の廃墟をずっとみていたら、寒くなった

前は廃墟をみると恋したみたいにドキドキしたのに
最近、なんか気が遠くなるほど陰惨な気持ちになる
どうしたことだろう


感傷は敗北に繋がると母親が手紙をおくってきた
まさにその通りだと思う

俺にとって廃墟は感傷ではなく、懐かしい近未来だった
けどなんだか、今は塔をみるとそこに置いてかれそうな気がする
思春期の匂いと死臭が混じって、足がゴムみたいになったイメージが
ここ何日も、目をつぶってもつぶらなくても見える

Friday 20 April 2012

one is the loneliest number

天井にはりついたままのチューイン倶ガム

心に穴が空いたってよくいうけど、
今は心に穴が空いて洗濯機がカラカラと廻っている。
嫌だね本当に。
これは暫く、空中に浮きそうだ。
コダマ水瓜
どこまでも続いている宇宙の瞳
奇跡の空間と後ろ前逆。
俺らは海の底を攻撃する。

去年の暮れに凄く仲の良かった友達が死んだ。
誕生日パーティの次の日、
うそじゃんね、と思ったけど。
あと5分だけ話してくれよこのクソが。
と何度も思った。
数週間して、「グレイムよ、腐った銃をとっておくれ、」という曲を書いた。
珍しく、歌詞もスラスラとかけた、デスバレーを230キロで走るような曲。

夢をみて
それは葬式の場面
俺が演奏の準備をしている、パッチケーブルがみつからない。
バックを探っていると俺の友達が「いいね、そのバック」
振り向くといつも車いすだったはずの奴が、そこに立って微笑んでいる。
「ああ、阿呆だよね」と笑う俺。
黒いバックにはスワスティカのマークがセンス無くついている。
ドイツ軍なんて好きだった事一度もないのに。
2人でけらけら笑うと目がさめた。
俺は泣いていたかもしれないけど、
それでその曲をかいたんだよね。
またあおうぜ、なぁ


昨日の別れも永遠の別れではなかったけど
一つの愛が確実に空中で死んだ。
胸の左側が苦しくてなかなか足も口もが動かない。
でもいかなきゃ。
ありがとう
なにが
素晴らしい時間を
ネギを切り始める、さようなら。

触れ合う肩、彼女の首からボール紙が飛びだしたみたいになって
名前がとことん分からない歌手。
斜めの手、
さっきまでかけてたレコードの曲、
デビット暴威のバク転しまくってるみたいな曲
この曲きくと思い出すのかね
冗談じゃない




今日はマシューの誕生日会
いかなきゃな
ストックニューイントンの近くのパブで集まる
ウェズから電話がある、
近くでもうひとりのマシュー
マシューソイヤーが演奏するって。
しかもそこから10mくらいの場所、
目眩がするよ、ウェズ


明日はブライトンにいく
ゴーチームでまたギターを弾く
演奏して、お金もらえるなんて




アイゼンハワード
アイゼンハワード
心のひだりがわががこれからもずっといたい

Wednesday 11 April 2012

紫にくだけちった犬

昨日は晴れで今日も晴れ
友川カズキのライヴを観にcafe otoに歩いていく。
ドミニックの家で2時間半あげた後、ターキッシュのピザを食べる。
サイモンとディランと道の途中であってビールを呑む。
というよりサイモンがビールを買ってくれる。
サイモンは絵がとても細かくて上手くて、ほとんどマルキのような素晴らしい絵を書く。
最近ちゃんと話てなかったからゆっくり話す。
目をみて話す。
ディランもすごくいいやつ。
目が途方も無くやさしくて、色々なものを受け止める準備ができている目をしている。
彼もすごいミュージシャンでアースというかっこいいバンド。
この前ユニオンチャペルで演奏したみたい。
俺はいけなかったのだけど。
凄く前にカートコバーンのマブダチだったらしく、この世から逝く時に知らないで
銃を渡してしまったありえなく悲しい話。
友川カズキのサポートの女の人の演奏、ギターがつまらく流れる。
友川カズキが始まる。サイモンもディランもゆっくりと耳を広げて
髪の毛を空気に溶かす。
俺は黒いビールを顔で呑む。
友達のはるなちゃんが横で動かなくなっている。
なんとも綺麗な歌詞、奇妙なほど美しい歌詞。
正直な生き方と演奏が陰鬱なメロディに重なり、街角の宇宙が生まれる。
「きてよかった」と思うのは、こないだ美術館でみた赤い服を着た横向きの女の人の絵を観て、また思い出すだろうなという感覚に似ていて、ああひどく心が動く。
空ににている海、紫にやられた犬みたいな歌詞。
ありがとう友川さん。
もんちゃんとユウキ君が後ろに経っていた。
二人はbo ningenというかっこいいバンドのセカンドをとりおえたばかり。
すごく上手くとれたらしい。
そこへかおるちゃんもまじる。
かおるちゃんの歌声はすごい。
死ぬ前に流れていてもいい音楽。
せっかく出会った友達なのに日曜日には東京にかえるんだって。
ただでウィスキーを呑んでたら酔っぱらってきて、
入り口で溶けた溶岩になった竿竹、

今日の夜中4時にハンガリーへ出発する。
とんでもない時間、ばかじゃん。
5日前の朝目が覚めたら突如できた曲, Hazy eyes maybeという曲があたまの中でなっていて離れない。
それはきっといいことで自分で気にいっている証拠。
でもハンガリーにいったら完成しない。
また心配ごとが増えた。
気絶しそうなくらいの眠気。
気絶しそうなくらいの壊れたベッド。