Monday 25 June 2012

凄く近い未来の神話の人

錬金術士の本をよんでいる

髪が全部抜け落ちたら
カワセミに話しかける
あの錬金術士の
はなしかた
 

Sunday 17 June 2012

路上で吹き飛ばされる前に

昨日から風が強く吹いている
バス停に向っている最中なんか吹き飛ばされそうになった

けど部屋の窓からみている風景はけっこういい
木がものすごい勢いで揺れている
それをみているとなんだかおちつくね



Thursday 14 June 2012

脱臼した時間

昔日本でキャンプにいった時にたまたま見つけた小さなギャラリーで
写真展が開催されていた
俺は写真の事はよくわからないし
評論家みたいに
いろいろな写真家の名前をならべたくもない
けれども
そこに写っていた知らない女の人の顔
風に吹かれて髪が靡いていて
後ろで鳥が飛んでいる 白黒の写真
シビルベイヤーの歌声みたいな雰囲気のある写真たちに
ドイツ語でタイトルがついていた
脱臼した時間
ハムレットの台詞からとったらしいそのタイトルは
キャンプの最中、
焚き火をしても
水を汲んでも
犬が川に飛び込んでも
ずっと頭から離れなかった

よく見ると古屋誠一という写真家の写真で
その昔、シベリア鉄道でドイツにわたった人
写真はどれもこれも素晴らしかった
ドイツ人の奥さんのクリスティーネのことを
ひたすらにとりつづけたメモアールという写真集をめくった
なんとも憂愁と風が耳の後ろを流れる様な空気感
個人的に大道なんかよりも素直に入ってくる感じがした

写真展のパンフレットをよんでいくと、
その写真達の物語に衝撃を受けた
80年代の半ばに東ドイツの建国記念日に
クリスティーネは家族を残して
突然アパートの9階から身を投げてしまう
その時から古屋誠一がとってきた写真の意味も全て変わってしまう

それから20年、彼は奥さんの写真をみることも
死ぬ前に彼女が残した手記を読む事も拒み、封印し続ける
それは想像しがたい地獄のような
身の置き所のない
時間の経過だったに違いない

 年代が立つにつれて、写真の中の彼女の目が病んでくること、
残された手紙の内容自体がただただ胸を締め付けてくる
しかしそれ故にそのポートレートに向き合った彼の目線がとても綺麗だ
悲しい過去と未来に繋がっている現実を直視した事実が
そこにあり、それをみている自分がまた、写真の意味の一部になってくる

写真の向こうに写っている人はもうこの世にはいない
路上マーケットによく売っている何十年も前の写真をみると
時折そう思う
何処の誰かもまったく不明な家族の写真
写真の向こうの人もこっちをみて笑っている
昔はそんな写真をみると異様に悔しかった
なぜみな笑っているのに、自分はそこにいないんだと
時間と歴史の間に取り残された様なうんざりした気分になった

でも古屋誠一の写真をみていたら
こっちが写真をみるだけじゃないんだと思った 
写真の人もこっちを眺めている

ぼーっと眺めていると
母親が若かった時に好きだったニーチェの言葉を
ある特殊な空気と一緒に思い出す
「深淵をのぞく時は気を付けなければいけない、
なぜなら深淵もこちらをのぞいているからだ」














 















Sunday 10 June 2012

断末魔のテキーラ

昨日はPete and the piratesのピートの新しいバンド、
The 3.1419 wondersをバファッローバーに観に行って来た
いい曲が幾つもあってかっこ良かった
the europiansのマフューやパイレーツの皆、ストールンのポール
以前キャッチャーナインで 一緒にやってたアンソニー
懐かしいストールンの顔が集まっていて
思わず暖かい気持ちになる
アダムの車でパイレーツのトムの家のパーティにいき
断末魔、つい呑み過ぎてしまった

ロンドンの北のカムデンにSCARスタジオという古いスタジオが鉄橋の下にある
なんていうか、スクワットみたいな、秘密基地みたいな
文明に逆らっている様なパンクな雰囲気があって
7年前に偶然みつけて以来気にいってずっと使っている
思えばティーパーティもここで結成され、ここで解散した
人生に大きく影響をうけた人にもここで何人も出会った

数年前マーケットが火事になってもギリギリ火の悪魔を振り切り
カムデンマフィアに潰されそうになる危機を
みんなで署名運動やカウンシルに訴えて何度も乗り切った
カムデンらしさを唯一残している美しいスタジオ

こないだレコーディングの時、
だれもいない夜中にスタジオで
独り想いにふけった
喧しい普段とは違い静まり返っている
誰かが死んだ様な
信じられないくらい静かな空間
色々な感情が節々の壁、家具、楽器にしみ込んでいる
黒い猫が二人俺をみている
ずっとここに在ってくれSCAR



                SCARのオーナー、トム
        クリスタルはどこでも自転車で移動して変な音楽をつくる
               音の出ないきれいなオルガン
               Scarに住んでいる黒猫のムーグ
                   渡り廊下
                 ホットステッパー
                    キーボ
               ホワン、ダズ、アンジェリーナ
              ルーム2での記憶が一番大きい
                                                        誰かの腕のタトゥー

ヴァセリンズのフランシス 彼女はヨガの先生をしている




Saturday 9 June 2012

忘却のジュビリー


階級社会のシステムの中にいる細胞たち
この國だけじゃない
官僚制度
パワーの凶器
権力の魔性
音楽業界にも
スーパーマーケットにも
友達の目の中にも
俺の歯の裏にもいる
ランゴリアーズみたいなやつ
本能的なものでもあって
だからそれに一瞬一瞬、死ぬ気で勝たなくちゃいけない






Friday 8 June 2012

微睡み自転車泥棒

燦々と光る公団の中の木漏れ日
滑り台に
頬を
あてて
禿げた水色
窓のカビに溶ける犬たち
太陽に子供たち
アディダスの主婦たち
太陽に
太陽の人
子供たちの悪魔
子供たちの微睡み自転車泥棒
ひかいひかい
落ちていくベースライン
 ああ木々が
カラスたちが
味方になっていく

泥酔したスティーヴ ベイダー
おはよう共働き
低回の時間軸
回転式アイスクリームヴァンにみた
 公団の中の
燦々と光る緑の奇跡




Wednesday 6 June 2012

ヴァンパイアレコーディング

バスの停留所にたまたま落ちていた音楽雑誌と新聞
数年ぶりに記事も読んだ
確かに最近というか何年もロンドンの音楽シーンは
鳩の死体みたいに煌めきがないかもしれない
そしてテレビに出ている人達の心も荒れているかもしれない
でも到着地点が魚の頭みたいに腐っているメディアの絶大な力
プロヴォーキングで色とりどりの空虚な写真たち
シニカルで一掃したような雰囲気を醸し出している記事
セカンドハンドのレコード屋にいるなんでも知ってる店員みたいに
ジャーナリストの男女はきっと自分の事を
お前よりも頭がいいよ自分はと思っている

でも人は何年も生きていると
シニカルにならないのは意外と難しいのかもしれない
日本の確認し合う笑いとは違った
イギリス人のブラックで特異な笑い
嫌いじゃないしいろんな人がいるけど
ハムステッドヒースにいるバンビの目の中の方が
よっぽど的を得ている
素直な心の色は疑問を生み続けて
宇宙の混沌を包み込む





昨日の夜中から
橋の下のスタジオ、我が母船、スカースタジオでデモのレコーディング
11時入り、コンピュータクラッシュの危機を乗り越えて
2時に録音開始
6曲一発取りで強行突破
朝の8時に終了するころには
一人残らずヴァンパイアになっていた
フィルスペクターアダムと日本で音響をしていたヒロ君が
有り難くもエンジニアをして呉れた
今夜は歌やアコギを料理の様に混ぜていく


生活のリズムが崩れると部屋が散らかる
もともと掃除に意味が見いだせない性格に拍車をかけて
何か悟りでも開いた様な散らかり様



divaが新しい曲をリリースしていた
cyborg sweetieというテクノみたいな曲
そういえば、グレイムが彼女の為に創った曲
渡英した時にレコーディングする予定だった
近い未来にアルバムで歌って欲しい  


何処かの 屋上でthe energy songを演奏するblackblack
shaggs並みの突抜け具合は、表裏一体の純血性

Sunday 3 June 2012

銀河系のメロディ

ミラーのdon'tという曲に5年前に出会った
たまたまモータッカーの曲目当てでかったイタリアの
コンピレーションにはいっていた曲
それがこないだk-recordsから7”がでてカラッと 砂漠の様に売れきれた
けどミシシッピーrecordsからもでていた
お金が狂った様にないから勿論買えない

こんなに素直な曲は今時だれもかけない
何度も聴いてもあきない銀河系の彼方のメロディと
ストレートで真実な歌詞が溶けあって
心の中で永遠になる

俺の葬式ベストにもはいっている




There's no sense in breaking up with you
But is it what I gotta do
Because you hurt me bad
You're running around
You made me so sad
And everybody in town knows she's not worth you losing me

You know that i love to be your own sweet baby
To ruin you up with every song i'll play
That you're never gonna leave won't you please, please say
I want you by my side until the rivers and the seas run dry

I need you bad
Without you
I don't know what i'll do
Don't make me do it
Come back
Don't make me say what i don't wanna say

There's no sense in breaking up with you
But is it what I gotta do
Because you hurt me bad
You're running around
You made me so sad
And everybody in town knows she's not worth you losing me

I need you bad
Without you
I don't know what i'll do
Don't make me do it
Come back
Don't make me say what i don't wanna say to you

No no
You're gonna break my heart in two
Don't make me do it

Saturday 2 June 2012

雲の上のナンバーナイン

昨日はハックニーの the sebright  armsでライブだった
演奏しているとき
かつて今までにないほど、冷静な自分が
ギターを引いている自分の横にヌラーっと立っていた
それはきっといいこと


みんな観に来てくれて嬉しかった
アンジェリーナは何回かミスったことで少し落ち込んでいた
練習したあとのミスたちほど美しいものはないのに

そのあとマットの家にいって友達のちいちゃんやユウコちゃん、ヒロポン、もんちゃんサリサリとかみんなで音楽をきいてウイスキーをのんだりした
みんな世パラってみたこともない踊りをしていた