Saturday 13 October 2012

不失者の黒い30秒

先週は
不失者のライヴを
ローワークラプトンにある教会でみてきた
ゆらゆら帝国の亀川さんが加入してベースを弾いていた
少し遅れてしまった
教会にはいると
いきなり爆音だった
友達のサトシ君がステージの横で耳を澄ましていた
俺は立ち止まって
耳の奥の鼓膜が
教会の残響と一緒に響いているのを
確かめた
人をかき分けて前の方にいったら
耳に入ってくる音は
もっと生の音になった
ドラマーの人のドラムが
亀川さんと灰野さんの音の真ん中をくぐり抜けながら
まっすぐと聳えたっていた
その音は予想していたよりも
天然感たっぷり

あ、灰野さんが
俺のSGを弾いている
ぎゃーと赤く悲鳴をあげている

テンションがあがってレンズを絞って写真をとる
あとから知ったのは
メインで使う筈だったSGよりも
予備として貸していた俺のSGの方が全然良かったって聞いて
なんだかすごく嬉しかった

なぜってそのSG、
もう3回も死んだギター
ギターが壊れた時に漂う
木の甘い香り
ロンドンで初めてのティーパティーのギグで
テレーザがよこしたテキーラを吞んで
演奏したら不甲斐無い
ネックとボディがバラバラになってしまった

まっ二つになってしまった
ギザギザハートから
漂う死の香り
もうだめかと思って
つじつまの合わない落ち込みをしながら
ストールンのポールに相談したら
3Dのデイヴの友達が100ポンドで直して呉れるって
100ポンドって???

数ヶ月後、無国籍のゾンビになって生き返ったSG
グルーがボディ中に広がって
なんとも鳴りのいいギターに成り上がった


アンコールは約30秒のインプロと思われる曲
ループステーションからでるバキバキのモノローグ
嵐が街を襲った直後のような黒の色が
3人が立ち去ったあとに
ステージ上からドロドロと流れ出した





  
   






        

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